« 雑誌:『週刊東洋経済 2009.12/19号』 around30歳の逆襲 | トップページ | ラグビー:2009-10 大学選手権、明日開幕!! 優勝のゆくえは? »

本:『リオ 警視庁強行犯係 樋口顕』 今野敏

警察小説が熱いらしい。

本作は樋口顕シリーズの1作目になるが、なかなか面白かった。
実は先に2作目の「朱夏」を読んでいて、
今回は1作目に戻った感じである。

樋口警部補は40歳、
警視庁捜査一課強行犯第三係を率いている。
この主人公は別にヒーロー然としているわけではなく、
他人からどう思われているかを気にし、
自信がないからこそ失敗も少ない、
そんな自分に嫌気をさしている人物である。
が、傍からみれば、それは冷静でまじめ、
そして結果を出していると信頼される。
そのギャップにまた悩んでしまう、そんな主人公だ。

まあ、樋口ほど冷静ではないが、
自信のなさや他人の評価を気にするあたりは自分にもあてはまり、
なんだか感情移入がしやすいが故にはまってしまった。

樋口も魅力的だが、たぶん一番魅力的なのは樋口の妻の恵子かもしれない。
樋口はとても家庭を大事にする男なのだが、
この妻の恵子が樋口をよく分かっているのだ。
さりげない一言が、とても心地よかったりする。

と、本筋とは関係のないところを述べたけれど、
もちろん警察小説なので、事件が起きる。
殺人事件なのだが、そのたびに目撃される少女=リオ。
捜査本部はリオを容疑者と確実視する中、
樋口は疑問を呈する。
さてさて、真相はいかに…。

『朱夏』を読んだときにも思ったが、
小説内に心理学の用語がわりと多くでてくる。
今回はアダルトチルドレン。
一昔前に流行った概念だと思うが、
このあたりの論理展開はちょっと胡散臭い。
ただ、樋口に「アメリカの心理学というやつをあまり信用していない」と言わしめ、
彼がそのあとに語るセリフあたりを読んでいると、
別に筆者もアメリカの心理用語の胡散臭さは感じつつ使っているようではある。

犯人は特別以外な人物というわけでもないので、
謎解きみたいなところの面白さがある小説ではない。
それよりも、樋口とそれを取り巻く警察官たち。
氏家、天童、植村・・・、といった個性ある面々とのやりとり、
そして上述したが家庭でのやりとり、
そんなところの個の心の動きと警察組織独特の雰囲気が、
たぶんこの小説の魅力なんだと思う。

このシリーズは3作目も出ているみたいだし、
ぜひ読んでみたいなあ、と思う。

リオ―警視庁強行犯係・樋口顕 (新潮文庫)リオ―警視庁強行犯係・樋口顕 (新潮文庫)

新潮社 2007-06
売り上げランキング : 196829
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

人気ブログランキングへ
↑気に入っていただいたら1日1回ぽちっとお願いします

|
|

« 雑誌:『週刊東洋経済 2009.12/19号』 around30歳の逆襲 | トップページ | ラグビー:2009-10 大学選手権、明日開幕!! 優勝のゆくえは? »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/160640/32648081

この記事へのトラックバック一覧です: 本:『リオ 警視庁強行犯係 樋口顕』 今野敏:

« 雑誌:『週刊東洋経済 2009.12/19号』 around30歳の逆襲 | トップページ | ラグビー:2009-10 大学選手権、明日開幕!! 優勝のゆくえは? »