« 雑誌メモ:『日経ビジネスアソシエ 2010. 3/2号』 決定版 ノート術 | トップページ | バンクーバー冬季五輪: 浅田真央は銀メダル…戦略の差かなあ »

読書メモ:『果断 隠蔽捜査2』 今野敏

最近、今野敏の警察小説にハマっており、
樋口顕シリーズを読んでいたが、
この隠蔽捜査シリーズも非常に面白い。

警察官僚であった竜崎伸也は、
隠蔽捜査1で、息子の不祥事により所轄の署長に左遷される。
その赴任先である大森署での事件の話である。

竜崎は合理性を重んじており、正しいことは正しいと主張する。
「俺は、いつも揺れ動いているよ。ただ、迷ったときに、原則を大切にしようとしているだけだ」
そんな風に言って、公私とも厳しく、原則を貫く。
だから、組織の中では「変人」ともされるが、その覚悟が彼の魅力なのではないか。

仕事の上で合理性を貫く姿勢は素晴らしいのだが、
プライベートではてんでバランスがとれていない感じがする。
東大以外は大学ではない、と言い切ってしまうし、
いまどき珍しく家庭は妻が守るものだとしてしまっているが故に、
妻が入院となると、ボタンスイッチで沸くお風呂さえ沸かせない…。
ただ、こういったところもまた魅力なのだと思う。

いろんな方向にまるーくそこそこ魅力を持っているというのは、
トータルでみると結果的にはあまり魅力的でないことが多いのではないだろうか。
竜崎みたいに、どこかとんがっている人が、
組織では煙たがれるのかもしれないが、とても魅力的にうつったりする。

今回の話は所轄を舞台にしており、
読み始めて少し「踊る大捜査線」を思い出した。
現場と会議室、ノンキャリとキャリアという構図。
この小説にもそういった構図がでてくることはでてくるが、
こちらのほうが断然リアルに感じられることと、
現場と言いながらも主人公は元警察官僚であるが故に、
幼馴染の伊丹刑事部長(現場からすると雲の上の人らしい)と親しげに話したりするあたりが違う。
元キャリアのツテを使うことで、中途半端に偉い輩が、それまで高飛車だった態度を急変したりする。
そのあたりに竜崎視点で読んでいる読者はすっきりするのだろう。
これは内田康夫の浅見光彦シリーズに通じるものがあるかな。

ということで、警察内部のキャリアとノンキャリアの対立軸だったり、
そこに事件の意外な結末があったり、
竜崎という人物の合理性に自分の仕事に思いを馳せてみたり、
竜崎が抱えている家庭の問題を考えてみたり、
いろんな視点で楽しめるだろうと思う。

しかし、竜崎の妻冴子、この女性がたぶんこの物語の中で一番魅力的なのではないだろうか。

↓購入はコチラからどうぞ

果断―隠蔽捜査〈2〉 (新潮文庫)果断―隠蔽捜査〈2〉 (新潮文庫)

新潮社 2010-01-28
売り上げランキング : 780
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


↓気に入っていただいたら、応援のクリックよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ

|
|

« 雑誌メモ:『日経ビジネスアソシエ 2010. 3/2号』 決定版 ノート術 | トップページ | バンクーバー冬季五輪: 浅田真央は銀メダル…戦略の差かなあ »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/160640/33466481

この記事へのトラックバック一覧です: 読書メモ:『果断 隠蔽捜査2』 今野敏:

» 踊る大捜査線 サントラ [ニュース記事まとめ]
りんかい線 | with Louis りんかい線. 2010.02.20 Saturday. 2010022007560000.jpg 笑えるのが電車がホームに入ってきた時の音楽が踊る大捜査線なの(笑) 凝りすぎやろ("⌒∇⌒"). 『雑ネタ』 07:59 comments(0). COMMENT. name: email: url: comments: Cookieに登録 ...(続きを読む) 本:『果断 隠蔽捜査2』 今野敏: だぶろぐ 読み始めて少し「踊る大捜査線」を思い出した。 現場と会議室... [続きを読む]

受信: 2010年2月21日 (日) 17時56分

« 雑誌メモ:『日経ビジネスアソシエ 2010. 3/2号』 決定版 ノート術 | トップページ | バンクーバー冬季五輪: 浅田真央は銀メダル…戦略の差かなあ »