« 読書メモ:『結果を出して定時に帰る 時短仕事術』 永田豊志 | トップページ | 読書メモ:『30歳からの人生リセット術』 久恒啓一 »

読書メモ:『シアター!』 有川浩

シアター! (メディアワークス文庫)シアター! (メディアワークス文庫)
有川 浩

アスキー・メディアワークス 2009-12-16
売り上げランキング : 9727
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


あっという間に読み終わった。
面白い小説はじっくりと少しでも楽しい時間を長引かせようとしてみるが、
そんなものは無駄な抵抗だった。

春川司と春川巧。
売れない役者であり続けた父親の血をひいて、
劇団シアターフラッグの主宰となるのが春川巧。春川兄弟の弟。
そんな父親を支えてあげなきゃとのぼせあがりつつ、
子どもができた途端に生活のために離婚を選択した、
男前な母親の血をひく、鉄血宰相こと春川司。
この二人とそしてシアターフラッグの面々で物語は進んでいく。

印象に残っているシーンは、
シアターフラッグの前売りチケットが完売したときに、
劇団員が圧倒的な歓喜と涙となる中、傍観する司。
司はいわゆる経営者のような役割でシアターフラッグを支えることとなり、
鉄血宰相と呼ばれながら劇団に尽力するわけだが、
このシーンで部外者であることを強く認識させられる。
芝居のシーンなどでも、
作っている側にいる巧と作ることができない司という構図になる。

それに対する司の思いが明確に描かれているわけではないが、
何か充実したものと物足りなさとが混じったような感じではないのだろうか?
そんなことを思いながら、作ることができない側にいる自分は、
司に感情移入しながらこの本を読み進めた。

ちなみに司は作ることができない側ではあるが、
その事務処理能力、マネジメント能力、人を見る目など、
経営に関わるあらゆる面でプロフェッショナルぶりを発揮する。
いわゆるとても仕事のできる人物なのだ。
(そういう面でこの小説を読むとビジネス本としての価値もあるかもしれない。)
ただ、そうやっていわば裏方で支援しながら、大いなる結果も残しながら、
でもどこかで部外者な自分を認識するとき、司はいったいどういう思いなのだろうか?
正直僕の興味はそこにあり、幸せだと思っているならいいなと期待している。
自分の仕事も作る側をいかに支援するかというもので、
正直作る側へのあこがれもあるわけだが、
でも、裏方を極めることにも充実したものがあるのだと、
少し背中を押してほしかった、そんな感じだろうか。

僕はそんな視点で読んでいたけれど、
純粋に人物が魅力的で、ストーリー展開のテンポもいい面白い小説だった。

人気ブログランキングへ
↑気に入っていただいたら、応援のクリックよろしくお願いします。

|
|

« 読書メモ:『結果を出して定時に帰る 時短仕事術』 永田豊志 | トップページ | 読書メモ:『30歳からの人生リセット術』 久恒啓一 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/160640/35889169

この記事へのトラックバック一覧です: 読書メモ:『シアター!』 有川浩:

« 読書メモ:『結果を出して定時に帰る 時短仕事術』 永田豊志 | トップページ | 読書メモ:『30歳からの人生リセット術』 久恒啓一 »